1.布団の打ち直しとは
お布団の再生加工、リフォーム、お直しのことです。
"わた"のお布団(木綿、羊毛)の場合、お布団の中の"わた"を取り出して、ほぐして、ふわふわの状態に戻します。
また、生地は新しいものを用意して、お布団として作り直します。
羽毛のお布団場合、お布団の中の羽毛を取り出し、洗浄します。
また、また、生地は新しいものを用意して、お布団として作り直します。
2.打ち直しの歴史と名前の由来
木綿は、植物で、花が咲き実がつきます。
その実が、綿(わた)となります。ほわほわの綿の中心に、種があり、一緒に摘みます。
機械のない時代は、弓の様なしなる棒で摘んだ綿を打って種殻を取るのと同時に、ふっくらさせていました。
そのあとは水車、機械となっていきます。
以前の名残で、今も「綿を打つ」といいます。「打ち直し」とは、使用している古くなったお布団をもう一回打ち直しすることからそう呼びます。
木綿の寿命は80年から100年です。
木綿は、洋服、肌着、ジーパン、ズボン、お布団など幅広く使われています。
原産地や綿花の種類により、特徴が違います。
ちなみにほんの一例をお伝えすると、エジプト綿は細くて柔らかなので、シャツや洋服、布団カバーなどに使われます。
インド綿は太くて丈夫なので、敷布団やジーパン。メキシコアメリカ綿は細くて柔らかなので、肌着や洋服、掛け布団などとなっています。
木綿をお布団にした場合、「敷いて3年掛けて5年」といって、敷布団は3年で打ち直し、掛布団は5年で打ち直しするとよいといわれ、昭和30年から50年くらいまでは、ほとんどの家庭で毎年打ち直しをしてきました。
現在ではその名残で、羽毛布団や羊毛布団もお直しやリフォーム、再生加工のことを打ち直しと呼びます。
3.布団の打ち直しの効能にはどんなものがあるでしょう?
打ち直しをすると、お布団の側(がわ)生地が新しくなり、中身を殺菌、乾燥、ホコリ取りまでしてくれるので、クリーニングや、丸洗いよりもダニ、カビ対策になります。
また、いったん中身を取り出してほぐし直しするので、サイズの変更や保温力がアップするなど、今までのご不満な点を改善できます。
4.素材ごとの布団の打ち直し工程を知って、納得&安心
布団の打ち直しと一言でいっても、素材によってその工程は違います。それぞれの特徴を知ると、布団に一層愛着が出て大切に使えますね。
4-1【羽毛布団の打ち直し】
羽毛布団の打ち直しの工程は、工場や、店により違いますので、それぞれお布団をお出しになる前に、確認するのが望ましいでしょう。
櫻道ふとん店の場合ですが、
羽毛を取り出し、ゴミ取りをします。
ゴミ取りが終わった羽毛は1枚1枚大きな袋に入れます。
この大きな袋のままクリーニングします。
富士山の湧き水で、ホコリ、ダニ、汚れはもちろんにおいも取れます。
次に、殺菌乾燥をします。
きれいになってふっくらした羽毛をもう2回ゴミ取りをします。
平行して、お客様が選ばれた側(がわ)生地3種類の中から1点を、お客様が選ばれた仕立て方法で縫います。
縫製された側生地はマスと呼ばれる区切りで羽毛が寄らないように縫いあげます。
洗浄が終わった羽毛をこのマス、1マス1マスに職人が入れていき、最後に羽毛の入れ口を縫製して完了です。
これが櫻道布団店の「羽毛布団のお直し」の工程です。
4-2【木綿わたの布団の打ち直し】
側生地を剥ぎ取り、中身の木綿わたを取り出します。
開綿機という機械にかけて、綿をほぐし、ドラムという針がたくさん並んだ所を通りながら薄く均一に引き、乾燥殺菌をしていきます。
綿入れがしやすいように畳1畳くらいの大きさに切り、折りたたんでいきます。
ここで、ダニの除去、殺菌、乾燥が完了し、ふっくら感が出ます。
一方、お客様に選んでいただいた側生地を敷布団、掛け布団などにサイズを合わせて縫います。
この生地に、打ち直しされた綿を一枚一枚広げて仕立てをしていきます。でき上がると新品のようになります。
4-3【羊毛(ウール)の布団の打ち直し】
木綿とほぼ同じく、側生地を剥ぎ取り、中身の羊毛を取り出します。
開綿機という機械にかけて、羊毛をほぐし、ドラムという針がたくさん並んだ所を通りながら薄く均一に引き、乾燥殺菌をします。
さらに、綿入れがしやすいように畳1畳くらいの大きさに切り、折りたたんでいきます。
ここで、ダニの除去、殺菌、乾燥が完了し、ふっくら感が出ます。
一方、お客様に選んでいただいた側生地を敷布団、掛布団などにサイズを合わせて縫います。
この生地に、打ち直しされた綿を一枚一枚広げて仕立てをしていきます。でき上がると新品のようになります。
4-4【櫻道ふとん店の布団の打ち直し】
「腰いい寝」「快眠の王」「カルカル敷布団」「お日様のチカラ」「ほほ笑みケット」「温泉ケット」「アイスケット」「温泉掛布団」など、
櫻道ふとん店の温泉綿、羊毛、木綿、羽毛を使用したお布団は、すべて打ち直しができます。
サイズ変更や、側生地の損傷、汚れ、経年劣化なども打ち直しすることで、新品同様になりますので、お気軽にご相談ください。
5.布団の打ち直しの時期
昔のように敷布団3年、掛布団は5年で打ち直しする必要はあるでしょうか。
製品や技術の進歩で、そこまでの頻度が必要なくなってきているともいえます。
そこで、実際に布団を打ち直すおすすめの時期を考えてみましょう。
5-1【天然繊維の掛布団の打ち直し】
木綿わた布団や羊毛布団は大体7~8年でいいでしょう。
ただし、保温力が年々落ちてきますので、冷え性の人は早めのお直しがおすすめです。又、腰痛でお悩みの方は敷布団を3年でお直ししましょう。
5-2【羽毛布団の打ち直し】
10年を目安にしてください。
カバーを掛けて、メンテナンスをしっかりしていれば、15年程度は持ちます。
男性が使用する場合、3年に1度は丸洗い、クリーニングを、女性の場合、5年に1度は丸洗い、クリーニングをおすすめします。
これには理由があって、人間は一晩にコップ1杯の汗をかきます。
この汗の中に、ホルモンも混ざっています。
特に男性は男性ホルモンがたくさん出ます。この男性ホルモンが、お布団を茶色にする原因です。男性である私も、ワイシャツの襟がすぐに茶色になります。
女性のブラウスはそんなことはめったにないですよね。
この茶色の男性ホルモンを羽毛布団も吸ってしまいます。
ホルモンに菌が繁殖するとベトベトします。
羽毛がベトベトして、かさが減るため、男性は3年に1度は洗ってスッキリしておいた方が羽毛布団が長持ちします。
ちなみに羽毛の寿命は80年から120年です。
羽毛布団をお直しすることで、ずっと使っていけるものなので捨てないで下さいね。
5-3【天然繊維の敷き布団の打ち直し】
「敷いて3年、掛けて5年」の格言に従えば、敷き布団類は3年で打ち直し、ということになります。
これには理由があって、敷き布団は「中高式」といって、腰の辺りを厚くつくります。
寝たときに姿勢が良くなるように腰の部分だけ綿を厚くするのです。
既製品や工場製品は平らです。
昔の職人さんは「人体で一番重たいのが腰」と知っていたのでしょう。
ところが、3年も使うと、いくらそのようにつくっても、船底のようになってしまいます。
これでは腰に悪いので、3年に1回は打ち直しすべきとなったわけですが、この格言も今ではすっかり忘れ去られたようです。
とはいえ、天然繊維の敷布団をお使いでしたら、やはり3年に1度程度の打ち直しをおすすめします。
6.布団の打ち直しの値段
布団は打ち直して、長く愛着を持って使うのがよいとわかりましたが、家族全員分の布団を打ち直すとなると、心配は料金です。
素材によって違う打ち直しの料金はどのくらいでしょうか。
櫻道ふとん店でお預かりする場合の価格をお伝えしましょう。
目安としてご参考になさってください。
6-1【木綿布団打ち直しの料金】
木綿布団の打ち直しのお値段ですが、側生地、打ち直し、仕立て代込みで、シングルの敷き布団12,800円からです。掛布団も同じです。
また、最近では、古い敷き布団や掛布団を使って、クッションや、座布団、こたつ布団、ベビー布団など、違う布団にお直しする人が増えました。
この場合、お直し後の金額になります。
ちなみに掛布団1枚から座布団は2〜3枚程度作れます。料金は座布団1枚2,980円です。
また、敷き布団1枚から座布団5枚程度作れます。
掛布団1枚からこたつ布団1枚。
敷き布団1枚からベビー敷布団とベビー掛布団が一組作れます。
6-2【羽毛布団打ち直しの料金】
羽毛布団は、シングル19,800円からとなります。サイズ変更も可能です。
よくあるのは、ダブルからシングルへの変更です。
結婚するときに購入したのがダブルで、ひとりずつ寝るようにしたいので、ダブルサイズ1枚からシングル2枚にしてほしいという人がとても多いのですが、この場合、羽毛をたくさん足さなくてはなりません。
ほとんどの場合、1枚はお直し、もう1枚は新品を購入された方が安くなります。
ただ、ダブルからシングルにすると少し羽毛が残ります。
余った羽毛を使って、羽毛敷パットを作る方がとても増えています。料金はシングル14,800円です。
羽毛布団お直し料金表(シングルサイズ)
生地質 | 立体キルト | デュアルキルト | 櫻道デュアルキルト |
---|---|---|---|
ソフト軽量 綿15%,ポリエステル85% |
19,800円(税込) | 29,800円(税込) | なし |
シルキータッチ レーヨン35%,ポリエステル65% |
29,800円(税込) | 39,800円(税込) | 49,800円(税込) |
60番手 サテン織り綿100% |
34,800円(税込) | 44,800円(税込) | 54,800円(税込) |
80番手 サテン織り綿100% |
39,800円(税込) | 49,800円(税込) | 59,800円(税込) |
100番手 サテン織り綿100% |
49,800円(税込) | 59,800円(税込) | 69,800円(税込) |
7.布団の打ち直しのメリット
よい品を長く使うと結局お得です。
ホームセンターをはじめ量販店で布団をどんどん買い換える人もいるでしょう。
しかし、当然プロがつくった訳ではないので、まあまあそこそこの品質となります。
睡眠のことをちゃんと考えて作られた素材のよいものは、当然値段も違います。
さて、しっかりした品物を長く使うのと、安物をどんどん変えるのとはどちらがお得なのでしょうか?
布団の場合断然前者です。
新品の木綿布団を19,800円で購入の場合、3年で打ち直し9,800円9年で約5万円。
一方、ホームセンターでポリエステルがほとんどで羊毛が少しの敷き布団を9,800円で購入し、2年で交換した場合、10年で約5万円それからは打ち直しした方が安くなります。
又、健康にはどちらがよいでしょうか。
寝心地は?眠りの質は?と考えると、お布団は、よい品を購入し打ち直しをして使っていくのが一番お得になりますね。
7-1【布団の打ち直しでサイズの変更】
布団の打ち直しでは、中身を取り出すので、サイズ変更がとても簡単にできます。 打ち直しは中身を原料とみて、再生加工することですので、お布団のサイズを変えようと思ったら、新品購入の検討よりも先に、布団の打ち直しを考えてみては?
7-2【布団の打ち直しでわたの調整】
現在お使いの布団が「もう少し厚めだったらもっと暖かいのに。」とか、「厚い掛布団を薄い肌掛けにしたいな~」などのご希望があれば、打ち直しがおすすめです。
8.打ち直しができない布団
布団には打ち直しができない素材があります。
天然素材では、シルクつまり絹です。シルクの場合は、クリーニングして表の生地の交換程度しかできません。
また、「エアウィーヴ」のような樹脂素材のものは打ち直しできません。
ポリエステルは、打ち直しができます。
普通のポリエステルでしたら、新品の方が安いので、買い替えをおすすめしますが、特別な思い出があったり、特殊加工のポリエステルなら、打ち直ししてもよいと思います。
9.敷き布団を打ち直せるかの判断基準は?
丁寧にお使い頂ければ木綿わたの敷き布団は80年程度、羊毛の敷き布団は100年程度使えると言われています。
敷き布団、掛布団とも木綿わたの布団を使っていた時代は、新しい綿で掛布団を作り、打ち直しをしたら敷き布団にして、何回も打ち直しをしたら座布団にして、座布団ですり切れ始めたら、肥料やお風呂の燃し木代わりにしたりしました。
10.お直し、打ち直しできる布団を選んで、ずっと快適に!
最近流行の機能性マットレスなどは、ほとんどがお直しや打ち直しができません。綿布団のように素材を再生利用して打ち直す、ということができないものがほとんどです。
前述したように、昔のように敷布団3年、掛布団は5年で打ち直しというほどの頻度ではなくても、毎日使うお布団ですからものですから購入するときにヘタったり傷んだりしたら、どこにお直しを出したらいいかなど、お店に相談してから購入することをおすすめいたします。
また、見た目だけでなく寝心地の悪さや、保温力の低下を感じたらお直し時期です。
櫻道ふとん店の敷布団、掛け布団、羽毛布団、肌掛けのほとんど全てがお直しができます。
傷んだり汚れたり以外に、お子様の成長に合わせてサイズアップすることも可能です。
ご相談いただきましたら、お布団の状態をみてクリーニングしたり利用できる素材はそのまま再生利用して、お直しするなどご提案いたします。
お直しや打ち直しでいつでも快適にお使いいただけます。