1.羽毛布団に掛けカバーが必須な理由
羽毛布団の特性は、軽くてあったか。丈夫で長持ちですが、羽毛が出てしまうとふわふわと舞って収拾がつかずに厄介なのでカバーが必要なのですが、羽毛布団と掛けカバーとの相性がむずかしいと感じている方も多く、お客様からよくご相談をお受けします。
羽毛布団の側生地に使う布は、中身の羽毛が出ないように高密度で織られています。その目の細かさは、ダニが入れないほどです。
例えば羽毛布団の側生地で掛けカバーを作り、ファスナーをしっかり閉めて洗濯機に入れると、入っていた空気がなかなか抜けず、いつまでも風船のように浮いた場所が出現するほどです。
そのため、掛けカバーに入れてもツルツルしていて、羽毛布団が中でズレます。この欠点を補うために、羽毛布団用の掛けカバーは必ず4か所~8ヶ所にひもがついていて、羽毛布団の角などに結び付け、ズレを防止しています。
羽毛布団の中身の羽毛が出てくるとふわふわと舞ってしまいとても厄介なので、必ず掛けカバーを付けてご使用いただくことをおすすめしています。
実は羽毛布団は静電気に非常に弱いのです。 羽毛が静電気に弱いというのは、どんな高価な羽毛布団でもフェザーと呼ばれる羽根がほんの少しは入っていますが、この羽根先端はとても硬く、静電気で立ちあがると羽毛布団の側生地を突き破ってしまいます。小さい羽毛が出てしまうのは、この穴を通ってダウンが出てきてしまうからです。 掛けカバーを外すときに掛けカバーの中に小さい羽毛らしきものがたくさん出ていた、などという現象はこのためです。
最近では、ポリエステル100%や、綿との混合素材の掛けカバーがたくさん出回り、値段も安い新製品がどんどん出ていますが、以上の理由から羽毛布団には静電気防止のために綿100%の掛けカバーをおすすめします。
あとは、軽くてあったかという羽毛布団の長所を活かしながら布団掛けカバーを選ぶことでより良い羽毛布団の利用ができます。
2.羽毛布団の掛けカバーの役割は?
前述のとおり、羽毛布団が静電気に弱いという欠点を補うために掛けカバーが必要ですが、羽毛布団は耐久性が高く、長く使える掛け布団なので、汚れと傷みを防ぐことも大事な役割のひとつです。
さらに、高級羽毛などの良さをしっかり出すために、それなりの高級掛けカバーもあります。また、羽毛布団の側生地では表現できない肌触りやあったかさなどを掛けカバーで表現できますので、現在お使いの羽毛布団のグレードアップにも掛けカバーの選び方は重要です。
3.タイプ別、目的別の羽毛布団掛けカバーの選び方
羽毛布団に掛けカバーが必須なら、自分のタイプ別に掛けカバーを選ぶと睡眠ライフが飛躍的に楽しくなります。 たくさんの素材や織り方などで掛けカバーの特性が変わるので、掛けカバーの選び方をタイプ別にしてみましたので参考にしてください。
3-1【とりあえず万人向きの掛けカバーを選ぶ!】
やはり、万人向きの掛けカバーは、綿100%の30〜40番手ブロード織りです。皆さんがお使いの掛けカバーのほとんどがこの掛けカバーです。
旅館やホテルの白い掛けカバーがこれです。肌心地の感覚の標準品です。この掛けカバーは、汗をしっかり吸い、そこそこ丈夫で5年程度使えます。綿100%のため、アトピーや肌の弱い方にもおすすめです。また、静電気防止にもなります。
3-2【せっかくの羽毛布団だから、肌にやさしくやわらか〜い掛けカバーにしたい! 】
表示は同じ綿100%でも、とっても柔らかい掛けカバーがあります。掛けカバーを作る前の糸の段階で細くて柔らかい糸を使用しているからです。
この細い糸の原料の事を超長綿と呼びます。木綿の糸の太さは番手で表示されます。通常の掛けカバーが30〜40番手、60番手以上の細さの糸の事を超長綿と呼びます。
さらに、この超長綿を使って掛けカバーにする布を織るときに、ブロード織とサテン織というものがあり、ブロードよりもサテンの方が柔らかくなります。肌にやさしい・とっても柔らかとなると、60番の糸を使ったサテン織以上のものがおすすめです。
ちなみに、通常販売されている掛けカバーの糸は60番スーピマ綿。それよりも柔らかいのは80番エジプト綿、それよりも柔らかいのは100番となっています。80番手以上の掛けカバーになると、シルクよりも柔らかい感覚があります。
シルクの掛けカバーも柔らかく、肌心地が良いですよね。ところが、シルクにも糸の良いものとそうでないものがあります。また、織り方や糸の紡ぎ方で硬くなってしまっているシルクもあるので、ご注意を。
3-3【羽毛布団がさらにあったか、ほわほわになるような掛けカバーにしたい! 】
毛布感覚の掛けカバーのレパートリーが増えました。ネルなど、毛布のように起毛されている布を使った掛けカバーの総称の事をフランネルと呼びます。
フランネル掛けカバーには、毛布と同じものを使って掛けカバーを作ったりしているものもあります。ですから羽毛布団にフランネル掛けカバーを掛けると、毛布羽毛布団になったように、あったかほわほわの羽毛布団に早変わりします。
フランネル掛けカバーの安い品は、2,980円程度などもあり、普通の掛けカバーと同じような金額のため、秋冬専用に使う方が増えています。
櫻道ふとん店では電気を使わず天然の遠赤外線を放出する、特許の温泉毛布を掛けカバー用に加工した「温泉カバーぬっくぬく」 を販売しています。足先や手の冷たさ、肩口の寒さが気になりなかなか眠れない方々に好評です。
3-4【ウィルス対策した掛けカバーってあるの?】
2020年コロナウイルスが世界中に蔓延しました。これらのウイルスを布についた瞬間から減少させることに成功した生地があります。「フルテクト」などです。これらの布生地を使用して、掛けカバーにしたものを抗ウイルス掛けカバーとして取り扱っています。
※参考: https://www.shikibo.co.jp/flutect/
櫻道ふとん店では、富士山の山小屋に、たくさん納品させていただきました。富士山の頂上はもとより、須走口、御殿場口、富士宮口の各山小屋には「フルテクト」の布団掛けカバー。また、富士吉田口の8合5尺のカーテンなども「フルテクト」を使用しました。
3-5【アトピー対策にはどんな掛けカバーがいいの?】
アトピーの方の場合、ほこりなどのハウスダスト・ダニそしてカビなどで皮膚炎や呼吸に重大な状態を引き起こす場合があります。
掛けカバーやパジャマ・肌着などに触れて皮膚がかゆくなったりする方の場合、綿100%かシルク100%がいいですね。
ただし、染料や化学薬品までにも敏感に反応される敏感な方の場合、オーガニック素材となります。
通常は、綿花を摘んで糸にする前に晒(さらし)作業という工程があり、綿花の汚れ取りと殺菌を兼ねて化学薬品できれいにします。
ところが、こういった奥に潜んでいる化学薬品にまで反応する重度の方もおられます。当然糸にした後の染料にも反応するため、オーガニック中のオーガニック、無晒のオーガニックで掛けカバーを使う必要があります。
3-6【高級羽毛布団にぴったりな掛けカバーは?】
高級な羽毛布団をご購入されると、羽毛布団の側生地も高級な生地が使用されています。側生地自体が軽くてしなやかになっていますので高級な羽毛布団の肌心地よりももっと肌心地の良い掛けカバーにすると、高級羽毛の良さが引き立ちます。
高級羽毛布団の掛けカバーの素材としておすすめなものをお伝えします。
綿100%なら以下の通りです。
☆1位・・・100番手超長綿100%サテン織り
☆2位・・・80番手超長綿100%サテン織り
☆3位・・・60番超長綿100%サテン織り・ローン織り
、サテン織りは、通常の掛けカバーとは違い、布のつや感と柔らかさを際立たせる織り方です。また、ローン織りはガーゼのように肌心地が良い織り方です。サテンよりはつや感と柔らかさは劣りますが、通常の織り方であるブロードよりは高級になります。
シルクの掛けカバーでも、ブロード織りとサテン織りがあります。そもそもシルクの糸になるだけで高級なのですが、せっかくシルクにするなら、頑張ってサテン織りをおすすめします。
3-7【男性やお子様の羽毛布団には丈夫で長持ちする掛けカバーを!】
男性やお子様用など活発に動く方用には丈夫で長持ちする素材のものを選びましょう。お子様用でも、高校生までは、洗濯に強く、引っ張っても丈夫な掛けカバーが欲しいですよね。
日本製で通常販売されている綿100%の掛けカバー。金額の目安は1,980円位から5,000円程度までが30番手という糸を使って布を織っています。
超長綿と呼ばれる高級品と比べると2倍以上太い糸を使用していることから丈夫です。
また、ブロード織りやカナキンと呼ばれる織り方は、縦横一本ずつ金網のようにしっかり織られています。サテン織りやツイル織りなどは縦糸2~5本で横糸一本というように布になったときに柔らかくなるように糸を飛ばして織ります。ですから丈夫さとなったら、横一本縦一本とキッチリ織っていくブロード織りやカナキンが良いです。
3-8【軽い羽毛布団、掛けカバーも軽いものにしたい!】
繊維として、軽いのはやはりポリエステルです。しかしポリエステルは強いマイナス帯電繊維で静電気を起こしやすい素材。羽毛布団の掛けカバーとしてはおすすめできません。
羽毛布団の特性として、「静電気に弱い」ということをご説明しましたが、静電気でダウンが固まりやすく、フェザー(羽根)は立ちやすくなり、側生地を突き抜けやすくなってしまいます。したがって静電気を起こしやすい、ポリエステル100%の布団掛けカバーは極力避けたいものです。
TTC(テトロン/テトロンコットン)という生地があります。この生地は、ポリエステル85%綿15%が主流です。綿が混ざっているのでポリエステル100%の品より静電気が抑えられます。しかも軽くて色の発色も良く値段が安いのも特徴です。
もう一つ軽い素材があります。ガーゼです。ガーゼというのは綿100%の糸をブロード織りと同じように縦横縦横と金網のように織るのですが、目を粗くして織ります。
通常のブロード織りなどは1インチの中に180本から210本程度の目の細かさなのに対し、ガーゼは120本までに抑えます。そうすることで、通気性も良く軽い掛けカバーができます。
主に毛布や肌掛け用の掛けカバーとして使用するのが多いのですが、軽くて汗をしっかり吸うガーゼは、「弱い」という欠点と洗うと縮む特徴があるものの羽毛には適しています。
超長綿の糸番手が多くなると、細くてしなやか。そして「軽い」のです。お値段が高くなってしまいますが、予算に合うなら、超長綿がおすすめです。
3-9【洗ってすぐに乾く掛けカバーは?】
すぐに乾く素材としては、ポリエステル100%が一番ですがそもそも湿気をほとんど吸わないので、肌感としては、イマイチです。 ここでも、TTCという綿とポリエステルの混合の糸がすぐに乾き、ある程度は湿気を吸うのでおすすめです。
以上のように、羽毛布団のバナーは用途や欲しい機能によって素材を選ぶと、羽毛布団の良い面を活かしながら心地よい使い方ができます。
あとは、お好きなデザインでお部屋のインテリアの一つとして楽しく選ぶのも楽しく眠りへのテンションを上げるコツになります。
また、機能だけでなく、色の効果などカラーセラピーや風水などにより運気まで考えて布団掛けカバーを選ぶ方には他の章にてお伝えしますね。